「…気を…つけ……近くに…く、熊の…化け物が……」
「化け物?!」
「そ…いつに……荷物を奪わ…れて……キズ薬と…大事なもの…が入ってる……どうか…取り戻し……」
「わかった。すぐに取り戻してくるからな!」
ザスはルーシェの腕を掴むと、半ば引きずるようにして、化け物がいると教えられた方向へと走り出した。
特製のキズ薬ならば、ハーブよりも止血の効果に期待できるかもしれない。
「しっかりするのよ! すぐに戻ってくるから!」
ヴァリスもそう言うと、ザスの後を追った。
布を裂いて作った包帯を傷口に固く巻き付け、応急処置を終えたエナンがそれに続く。
木こりの青年が心配ではあったが、化け物を一刻でも早く倒すには人数が多い方がよい。
「こいつは……何だ……?」
現れた化け物の姿を目にして、驚愕のあまりザスは息を呑んだ。
フクロウの頭に熊の体。
彼らの耳には奇声にしか聞こえなかったが、どうやら言語を解しているようだ。
二頭のキラーベアを引き連れたその化け物は、オウルベアという合成獣であった。
「ふん。俺たちを食うだと? 食われるのは貴様の方だ、化け物め」
しきりに奇声を上げて襲い掛かってくるオウルベアを、エナンの正確無比な矢が牽制する。
ファイターも巧みな剣捌きで瞬く間にキラーベアを倒すと、不気味な合成獣に対峙した。
直接攻撃よりも、ハウリングによる衝撃波が厄介であった。こちらの能力を下げる攻撃で、防御力や素早さをダウンさせられるのだ。
「こいつ、地属性なのね。だったら――『スパークバレット』!」
オウルベアの属性を見極めたヴァリスは、レイピアでの攻撃の合間に風の魔法を折り込んだ。
反属性での攻撃ならば、かなりのダメージを与えられる。
「『リフレッシュ』!」
ルーシェは敵の動きと仲間の状態を把握しながら善戦してはいるものの、やはり足元が覚束ない様子だった。
切り立った崖の上である。
遥か下に存在するのであろう地面は、砂塵に霞んで見えない。
そんな崖の縁ぎりぎりの所で化け物の攻撃こそ躱したルーシェだったが、もはや
足に力が入らず、がくりとその場に膝を付いてしまった。
そこへ、かなり弱ってきたオウルベアが、最後の一撃とばかりに突進をかける。
「ルーシェ!!」
ザスとヴァリスが同時に叫んだ。
エナンは素早く矢をつがえ、過たず鋭い一矢を放つ。
肩で息をしていたプリーストも己の得物をなんとか握り直すと、渾身の力を込めて振り下ろした。
「ギィヤァァァァ――!」
ウォーハンマーによる打撃と、絶妙のタイミングで放たれたハンターの第二矢が、化け物に耳をつんざくような断末魔の声を上げさせた。
塵となったオウルベアは風に吹き払われ、遙か眼下の砂塵の中へと消えていく。
ふらりとよろめいたルーシェの身体を、赤毛のファイターがしっかりと抱き留めた。
「化け物?!」
「そ…いつに……荷物を奪わ…れて……キズ薬と…大事なもの…が入ってる……どうか…取り戻し……」
「わかった。すぐに取り戻してくるからな!」
ザスはルーシェの腕を掴むと、半ば引きずるようにして、化け物がいると教えられた方向へと走り出した。
特製のキズ薬ならば、ハーブよりも止血の効果に期待できるかもしれない。
「しっかりするのよ! すぐに戻ってくるから!」
ヴァリスもそう言うと、ザスの後を追った。
布を裂いて作った包帯を傷口に固く巻き付け、応急処置を終えたエナンがそれに続く。
木こりの青年が心配ではあったが、化け物を一刻でも早く倒すには人数が多い方がよい。
「こいつは……何だ……?」
現れた化け物の姿を目にして、驚愕のあまりザスは息を呑んだ。
フクロウの頭に熊の体。
彼らの耳には奇声にしか聞こえなかったが、どうやら言語を解しているようだ。
二頭のキラーベアを引き連れたその化け物は、オウルベアという合成獣であった。
「ふん。俺たちを食うだと? 食われるのは貴様の方だ、化け物め」
しきりに奇声を上げて襲い掛かってくるオウルベアを、エナンの正確無比な矢が牽制する。
ファイターも巧みな剣捌きで瞬く間にキラーベアを倒すと、不気味な合成獣に対峙した。
直接攻撃よりも、ハウリングによる衝撃波が厄介であった。こちらの能力を下げる攻撃で、防御力や素早さをダウンさせられるのだ。
「こいつ、地属性なのね。だったら――『スパークバレット』!」
オウルベアの属性を見極めたヴァリスは、レイピアでの攻撃の合間に風の魔法を折り込んだ。
反属性での攻撃ならば、かなりのダメージを与えられる。
「『リフレッシュ』!」
ルーシェは敵の動きと仲間の状態を把握しながら善戦してはいるものの、やはり足元が覚束ない様子だった。
切り立った崖の上である。
遥か下に存在するのであろう地面は、砂塵に霞んで見えない。
そんな崖の縁ぎりぎりの所で化け物の攻撃こそ躱したルーシェだったが、もはや
足に力が入らず、がくりとその場に膝を付いてしまった。
そこへ、かなり弱ってきたオウルベアが、最後の一撃とばかりに突進をかける。
「ルーシェ!!」
ザスとヴァリスが同時に叫んだ。
エナンは素早く矢をつがえ、過たず鋭い一矢を放つ。
肩で息をしていたプリーストも己の得物をなんとか握り直すと、渾身の力を込めて振り下ろした。
「ギィヤァァァァ――!」
ウォーハンマーによる打撃と、絶妙のタイミングで放たれたハンターの第二矢が、化け物に耳をつんざくような断末魔の声を上げさせた。
塵となったオウルベアは風に吹き払われ、遙か眼下の砂塵の中へと消えていく。
ふらりとよろめいたルーシェの身体を、赤毛のファイターがしっかりと抱き留めた。
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