「ねえ、やっぱりプリーストを仲間にしたほうがいいわよ。いくらなんでもヒールポーションにお金かけすぎじゃない?」
女にモテそうな美形エルフが、オネエ言葉で提案した。
彼の名前はヴァリスJr.――偉大なる魔法使いの名を受け継いでいる。
しかし、そんな彼も魔法の連発で精神力を使い果たし、レイピアを振り回したおかげで体力も消耗していた。はっきり言って満身創痍だ。
自慢の蒼い髪は乱れ、ブルーグレーの瞳には疲労。せっかくの顔もかなり情けない感じになっている。
「そうは言ってもな! よっ! ハッ! 流れのプリーストなんて! そうそういるもんじゃねえだろうよ! タァッ!」
ジャイアントスネークやキラービーを切り捨てながら、赤毛のファイターは言う。必要を感じていないわけではなかったが、儘ならない現状にやや諦め気味であった。
聖呪――いわゆる回復魔法を使えるプリーストは、教会で厳重に管理されているものだ。
教会や施療院でならばよく見かけるが、彼らが街なかをうろうろしているなんてことは滅多にない。ましてやこんな森のなかでは。
もし、そのようなプリーストがいたとしたら、それは資格を剥奪されたか、あるいは自ら立場を放棄した者ということになる。
「俺たちのパーティに入れるならば、無資格者(ロスト)では役に立たんぞ」
最後尾からキラービーを弓で撃退したハンターが無表情に告げた。
深緑の髪と瞳。身長と変わらない長弓をいとも容易く扱う彼は、パーティの中で最年少とは思えないほど落ち着き払っている。
「聖呪がレベル2までしか使えないものね――『ストーンバレット』!!」
酒場のマスターに初心者向けだと教えられたこの森のモンスターは確かに弱いが、如何せん数が多かった。
まとめて五匹も六匹も出てくるので休みなく戦うハメになり、さすがに致命傷にはならないが傷は増える一方である。
「お前たち、贅沢すぎ! レベル2まで使えりゃ充分じゃないか」
ファイター――ザスは二人の要求の高さに、半ば呆れて言った。
レベル2といえば多少の傷は癒せるし、毒や麻痺の状態も解いてもらえる。
これ以上なにを望むというのだろう?
「今は良いだろう。だがロストは能力の限界を迎えている者が多い。後のことを考えれば現役(キャリア)を入れたほうが身のためだ」
「エナンの言うとおりよ。生命がかかってんだから、真剣に考えなくちゃ」
「だけどよ~。プリーストを仲間に入れたら、俺たちはそいつを護りながら戦わなきゃならねえんだぜ? そんな余裕あるか?」
ヴァリスとエナンは顔を見合わせた。
「じゃあ」「では」
と、同時に口を開く二人。
そして――。
「「戦えるプリーストを、てことで」」
「そんな奴いるかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ザスは頭を抱えてしゃがみ込んだ。
ちょうど頭上をキラービーが掠めていった。
女にモテそうな美形エルフが、オネエ言葉で提案した。
彼の名前はヴァリスJr.――偉大なる魔法使いの名を受け継いでいる。
しかし、そんな彼も魔法の連発で精神力を使い果たし、レイピアを振り回したおかげで体力も消耗していた。はっきり言って満身創痍だ。
自慢の蒼い髪は乱れ、ブルーグレーの瞳には疲労。せっかくの顔もかなり情けない感じになっている。
「そうは言ってもな! よっ! ハッ! 流れのプリーストなんて! そうそういるもんじゃねえだろうよ! タァッ!」
ジャイアントスネークやキラービーを切り捨てながら、赤毛のファイターは言う。必要を感じていないわけではなかったが、儘ならない現状にやや諦め気味であった。
聖呪――いわゆる回復魔法を使えるプリーストは、教会で厳重に管理されているものだ。
教会や施療院でならばよく見かけるが、彼らが街なかをうろうろしているなんてことは滅多にない。ましてやこんな森のなかでは。
もし、そのようなプリーストがいたとしたら、それは資格を剥奪されたか、あるいは自ら立場を放棄した者ということになる。
「俺たちのパーティに入れるならば、無資格者(ロスト)では役に立たんぞ」
最後尾からキラービーを弓で撃退したハンターが無表情に告げた。
深緑の髪と瞳。身長と変わらない長弓をいとも容易く扱う彼は、パーティの中で最年少とは思えないほど落ち着き払っている。
「聖呪がレベル2までしか使えないものね――『ストーンバレット』!!」
酒場のマスターに初心者向けだと教えられたこの森のモンスターは確かに弱いが、如何せん数が多かった。
まとめて五匹も六匹も出てくるので休みなく戦うハメになり、さすがに致命傷にはならないが傷は増える一方である。
「お前たち、贅沢すぎ! レベル2まで使えりゃ充分じゃないか」
ファイター――ザスは二人の要求の高さに、半ば呆れて言った。
レベル2といえば多少の傷は癒せるし、毒や麻痺の状態も解いてもらえる。
これ以上なにを望むというのだろう?
「今は良いだろう。だがロストは能力の限界を迎えている者が多い。後のことを考えれば現役(キャリア)を入れたほうが身のためだ」
「エナンの言うとおりよ。生命がかかってんだから、真剣に考えなくちゃ」
「だけどよ~。プリーストを仲間に入れたら、俺たちはそいつを護りながら戦わなきゃならねえんだぜ? そんな余裕あるか?」
ヴァリスとエナンは顔を見合わせた。
「じゃあ」「では」
と、同時に口を開く二人。
そして――。
「「戦えるプリーストを、てことで」」
「そんな奴いるかぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ザスは頭を抱えてしゃがみ込んだ。
ちょうど頭上をキラービーが掠めていった。
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